2005 Humanoid Robot Design Contest
2005 ヒューマノイドロボット・デザイン・コンテスト 受賞作品発表
日本ヒューレット・パッカードZMP PTC設計製造.comCreator's Station.com

ごあいさつ いよいよ、老齢化社会が現実となり高度な福祉サービスが求められています。そのため生活の様々な領域で人間だけでなく、それを補完する製品、すなわち福祉ロボットである介護ロボット、掃除ロボットなどの出番もすぐそこに来ています。
第2回ヒューマノイドロボット・デザイン・コンテストでは、 2005年の第1回コンテストに続き、このロボット時代を支える優れたロボットデザイナーやエンジニアの育成を目的として、「人と遊び、人を助けるヒューマノイドロボット」をテーマに、より親しみやすく、人間と遊んだり、力を貸してくれるヒューマノイドロボットのデザインを募集いたしました。

第2回コンテストでは、全国の大学、工業専門学校の在校生から多数の応募がありました。 なお、審査におきまして奥山 清行氏は、残念ながら多忙のため審査に参加できませんでしたが、ロボット学界で活躍される水川 真氏(芝浦工業大学 工学部 電気・情報系 電気工学科 ヒューマン・ロボット・インタラクション研究室 教授)、高西 淳夫氏(早稲田大学 理工学術院 教授)、また斬新なロボット製品を送り出している谷口 恒氏(株式会社ゼットエムピー 代表取締役社長)、原 神一氏(アートディレクター)の4氏による審査により、下記の大賞および審査員特別賞を選出いたしました。

■設計製造.com大賞(メカニカル部門大賞)1名
■クリエーターズ・ステーション.com大賞(デザイン部門大賞)1名
■審査員特別賞(部門共通賞)2名

審査のポイントは、デザインのユニークさ、機能性、安全性、実現可能性、アピールシートのインパクトなどを評価。また今回よりメカニカル部門においては、審査条件として機構設計に関する設計図面等の資料を提出していただき、機構部の実現性も評価した上で各賞を決定いたしました。

2007年1月31日
ヒューマノイドロボット・デザイン・コンテスト実行委員会

受賞作品大賞 花丸

作品のコンセプト

“人が和める環境で役に立つロボット”、それがこのロボット「花丸」のコンセプトです。
“人が和める環境”のイメージは人それぞれで、そこで役に立つ二足歩行ロボットといっても運用が想定される用途や環境は著しく制限されます。事実、現在実用化されている二足歩行ロボットは、技術PRを兼ねたアトラクション用や玩具の域を出ていません。つまり産業用ニーズにはまだ応えるレベルではなく、例外的に可能性があるのは現在大学等で研究が行われている福祉分野への適用ぐらいであると考えられます。 今回デザインしたロボット「花丸」の「ただ花に水をやる」という機能は、スプリンクラーでもまかなえるかもしれません。しかし、見るからに無骨な「花丸」が庭園を悠然と歩き、花に水をやることで逆に“人が和める環境”を演出する助けとなります。漫画やアニメの世界では、兵器として登場することの多い二足歩行ロボットですが、優しさを感じさせるような「花を愛でるロボット」も存在してもらいたいという思いを込めてつくりました。

機構部の設計ポイント

このロボットは、外装部品、モータ、バッテリ、センサ、コントローラなどのメカトロ部品と、ロボットの形状を保持する構造部品で構成される。 外装部品は、直接人間に触れるため、物理的ダメージ、精神的プレッシャーを与えないように滑らかな曲面形状とした。また配色は、メカトロ部品の無機質な金属色を隠して親しみを演出する淡い色とした。 ロボットの運動は、各関節に取り付けたサーボモータの回転を、胴体背面に取り付けたコントローラで制御する。 メカトロ部品と構造部品から成る機構部の特徴は、バッテリを肩に配置した点である。このアイデアの狙いは、ロボットアームでジョウロなどの重量物を把持する際に発生する肩関節周りの大きなモーメントをカウンターウェイトとしてのバッテリで相殺することにある。 しかし、肩にバッテリを搭載することによって、重心が上がって後ろよりになる、および転倒角が小さくなるなど歩行安定性に欠けたものとなる。対策として、胸部を前面に張り出させて前後バランスを最適化し、脛横に脚部バッテリを取り付けて重心を下げることとした。 頭部カメラはロボットの方向転換等の負荷を軽減するために前後180degの視野を確保した可動タイプとした。

審査員選評


水川 真氏
構造設計レベルには達せず、レイアウト構想レベル。

高西 淳夫氏
重心に対してよく考えて設計されている。ただ、物を持っていないときのことを考えると不安が残る。

原 神一氏
いろいろな花のデーターを操作して水をやったり肥料をやったりすると すばらしい。

だんご虫
だんご虫 だんご虫
だんご虫

作品のコンセプト

普段はコンパニオンロボットとして使っていただけるが、災害時には緊急速報を受信し、ロボット同士のネットワークを使い緊急連絡網を構築する。
GPSと緊急速報、仲間との連絡網を組み合わせ最適な避難経路を割り出し、夜間でも安全に避難所まで誘導してくれる。
甲殻部はかたい、シェル構造となって頑丈である。

審査員選評


水川 真氏
脚、腕部の駆動構造に関しては合理性は伺えない。コンパニオン-非常時対応のコンセプトはレスキュー分野では求められていること、シェル構造で自己保全可能なデザインコンセプトを評価する。だんごむしの行動そのものともいえるが…。

高西 淳夫氏
きもかわいい(最近流行の言葉)が今の日本人に受け入れられる。

谷口 恒氏
キャラクターとして面白い。団子虫のようになって身を守り、大勢のロボット群が連携して、災害地でミクロな視点での働きを考えているところがよい。

原 神一氏
携帯が閉じた時丸くなるところがいいと思います。

受賞作品審査員特別賞 小型胃カメラロボット
小型胃カメラロボット 小型胃カメラロボット
小型胃カメラロボット

作品のコンセプト

飲み込みやすいカプセル型の胃カメラロボットです。
体内に入り胃カメラとして活躍するだけでなく、外部のコンピュータと連動して格納式のアームを操り簡単な作業が出来る。
超小型カメラ2台を装備し複眼視出来るので細部も立体的にとらえる事が出来る。

審査員選評


水川 真氏
ヒューマノイドのカテゴリに入るか否かは、要議論。胃カメラとして、ステレオ視とマニピュレータを装備している点は有用。寸法記述が無いのでデザインの実現性は評価できない。

高西 淳夫氏
滑らかな曲線のシルエットが美しい。

原 神一氏
近い将来実現しそうですね、体内で解けて排出されると安全でいいとおもいます。

玩具用変形ロボット
玩具用変形ロボット 玩具用変形ロボット
玩具用変形ロボット

作品のコンセプト

このロボットは、自動車型から人型の二足歩行ロボットへと変形出来るロボットとして設計した。全長30cm足らず、重量1kgほどと小型軽量であり、現存する小さめのラジコンカーと同じサイズである。無線操縦によって動かせるラジコンカーに二足歩行機能を追加した玩具と捉えられる。
設計開始当初から自動車型から人型への変形(当然逆も)が可能な事、バッテリー、コントローラを内蔵して無線で操縦出来る事を目的にしていたため、直接人の役に立つような機能は持っていないが、玩具としてはラジコンカーの発展系と位置づけられるため、将来ロボットが家庭内に入る時のための下準備としては有効である。


機構部の設計ポイント

自動車型と人型の2種類の形で動けるロボットとして設計した。自動車型の時には後輪をそれぞれ小型ギアドモータで駆動させて前後進させ、前輪のステアリングをそれぞれ小型RCサーボモータによって動かし方向転換する。人型の時には片足4自由度の足で歩行する
。重量は約1kgである。
足の自由度は片足4自由度だが、股関節の軸の向きは左右で異なる。これは軽量化のためであり、ロール軸とヨーイング軸を片方ずつに配置する事で横歩きと方向転換を同時に実現した。
外装はスイッチのカバー部分に固定する構造となっており、壁に当たるなどして外装に圧力が加わるとスイッチが押し込まれる。マイコンでこのスイッチの状態をモニタしているため、自動車型時には壁に当たった事を知るセンサとして使え、人型時にも自機に障害物が当たった事を知るセンサとして使える。
肩、胸、背中の変形機構はリンクで一つに繋がっており、一つのモータで全てが動かせる。これらの機構は変形時にしか稼動する必要が無いためこの構造にした。
前輪下部にはラインセンサを配置してあり、白い紙の上に黒マジックなどで書いた線の上を辿るなどが可能である。

審査員選評


水川 真氏
からくり設計としては力が入っている。ホビー用ならありかもしれないが、韓国でも実際につくられた例があるので、設計例にとどまる。提案性は無い。

高西 淳夫氏
自由度1つで変形を行える点がよい。

審査員 水川真氏

水川真氏
高西淳夫氏

高西淳夫氏
谷口恒氏

谷口恒氏
原神一氏 原神一氏
お問い合わせ ヒューマノイドロボット・デザイン・コンテスト 実行委員会事務局
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