3D CADシステムの開発元であるシンク・スリー社をはじめ、ヨーロッパ圏の教育機関や民間企業など5社により、2006年から3年の計画で共同開発を行ってきたSATIN(Sound And Tangible Interfaces for Novel product design)プロジェクトと呼ばれる次世代プロダクトデザインのためのインタフェースの開発で、試作システムを9月に完成したと発表した。
このSATINプロジェクトの試作システムは、映像と音声、感触をデバイス上で統合させ、デザイナーのための新しい3Dモデリングツールを開発しようとする試みで、「バーチャル環境でフリーハンド操作による形状作製を行うための、斬新で感覚的なインターフェースの開発」をめざしている。
このシステムは形状評価や修正に使う感触デバイスと、それに接続された2つの”FCS-Haptic Master”デバイスにより構成されており、ユーザーはバーチャル環境で作製されたモデルの形状を再現した”ハプティック・ストリップ”と呼ばれる感触デバイスの表面に触れることにより、インタラクティブにバーチャル・モデルの形状を確認することができる。このバーチャル・モデルの形状に感触デバイスを通して圧力を加えることで、その形状を修正することが可能だ。また、押す・擦る・曲げる・捻るなどの操作を、同時に形状が発するその音声を聞きながら行うことにより、バーチャル・モデルの形状へ変化を与えることができるものだ。

SATINプロジェクトの試作システム
SATINプロジェクトのプロジェクト・コーディネーターであるミラノ工科大学のMonica Bordegoni教授はこのプロジェクトの意義について、次のように紹介している。
「SATINプロジェクトは工業製品のデザインという大きなマーケットを対象にしています。そしてSATINシステムは、触感デバイスを利用したシェイプ・モデリング機能と音を融合し触れて楽しめるインターフェースによる人と機械の相互作用を実現しています。現在、試作システムとして実現されているアプリケーションに関しても既に革新的な次世代のデザイン・システムを実現しているといえます。 SATINシステムは、工業デザインにおいて知識と生産性とデザイナーのデザイン環境を向上させることができる非常に大きなインパクトを与える技術だと考えています。またこのシステムは、形状評価や修正を手で行なうことによりデザイナーのスキルを有効に利用でき、工業デザインの質を向上させることができます。」
今後は、プロジェクトに参加しているユーザー企業により試験使用や評価され、触感デバイスによりオブジェクトの形状を修正できるシステムの製品化をめざしていく予定だ。
【SATINプロジェクトの紹介ページ】
http://www.satin-project.eu/
【シンク・スリー株式会社】
http://www.think3.co.jp


