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「ZMP」が一般家庭向け人型ロボット「nuvo」を開発、年末にも市販へ

「PINO」で知られる、ロボット開発ベンチャー、株式会社ゼットエムピー (以下:ZMP) が、家庭で遊べるヒューマノイド (人型) ロボット「nuvo (ぬーボー) 」を開発。その記者発表会が、2004年 3月 2日、六本木ヒルズ テレビ朝日本社「イベントスペース UMU」にて行われた。年末にも一般販売を開始する予定で、本格的な二足歩行の人型ロボットを市販するのは、世界でも初めての試みだという。

ロボットが家にやってくる!

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ZMP 谷口社長

「ロボットと共にある生活」が、ついに現実に……。この年末、二足歩行の人型ロボット「nuvo」が市販される運びとなった。開発したのは人型ロボットの開発ベンチャー ZMP。これまで人型ロボット開発の課題とされてきた「スムーズな二足歩行」を実現、人の肉声に反応するのはもちろん (1000語前後の日常会話認識能力搭載) 、携帯電話からのコマンドにより遠隔操作の監視ロボットにもなるという。
記者発表会の冒頭、 ZMP の谷口社長は、人型ロボットの大衆化、より身近な存在としての普及を目標に掲げ、安定性、運動性能アップ、コストダウンといった要素をクリアできたことから、この年末の市販へと踏み切った経緯を報告。 nuvo がこれまでのメカトロロボットとは異なり、「いつでも、どこでも」をキーワードに、モバイル機能を追求した「新型モバイルヒューマノイド」であり、人との共生、一般家庭へのなじみやすさをコンセプトにした新世代ロボットである点を強調した。

生活のパートナーとしてのロボット開発

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奥山清行氏

プロモーションビデオの上映後、 nuvo がステージに登場。軽く腕を上げたり、くるりと方向転換をしたり、スムーズな歩行と動きのデモンストレーションを敢行。 14 に及ぶ関節を駆使して、うつぶせや仰向け、でんぐり返し、ダンスなど、多彩なモーションが可能であることを実証してみせた。

nuvo の基本デザインを担当した工業デザイナーの奥山清行氏は「家庭で人とロボットが生活を共にすることを念頭に置き、安全性と運動性にすぐれ、かつ親しみがもてるよう円や球を多用したシンプルなデザインを心がけました。配線やモーター部もすべて球状の関節内に仕込み、こうした機能の大部分を下半身に集中させることで、軽量化、安全性、コストダウンを実現しています」と、ユーモラスかつ合理的なデザインについて説明。ぬくもりを感じさせる生活パートナー = nuvo の位置づけを語った。
また、 nuvo のキャラクター展開を担当したキャラクターデザイナーの原神一氏は「虹 (子供向け) 、LOVE (女性向け) 、ジャパニズム (外国人向け) という 3つのアプローチで、時代性を担うキャラクターデザインを考えました」と、斬新なペインティングを施した 6点の nuvo を紹介。これまでの既成概念をくつがえす新世代のロボット = nuvo ならではの個性をアピールした。

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倒れても、自分から起きあがることができる
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斬新なキャラクター展開について解説する原神一氏

「靴をはいたロボット」がスポーツを変える?

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水野明人氏

さらに、谷口社長は、スポーツメーカー ミズノ株式会社 (以下:Mizuno) との全面的なコラボレートにより、「ロボットに靴を履かせる」という外側からのアプローチを導入したことで、二足歩行ロボットの課題である「スムーズで安定した二足歩行」を実現した点に言及。
この経緯について、 Mizuno 副社長水野氏は「Mizuno のスポーツギアへのこだわり、バイオメカニクスに関する知識の集大成をロボットに導入、圧力センサーの上をロボットに何度も歩かせて緻密なデータを収集、クッション性と安定性を両立させるために、『Mizuno Wave』という波形シートをロボットシューズに採用しました」と説明。さらに、プロテクター等で本体部を保護するなど『ギアの装着』を追求することにより、より運動性、安定性を向上させ、プレイヤーの視点でスポーツ競技を撮影したり、救援活動を行うなど、ロボットならでは活動の可能性も広がり、ゆくゆくはロボットによるスポーツ競技会の開催など、新たなスポーツの提案も視野に入れているという。
「ロボットを通じて、新次元のスポーツギアの開発に貢献したい。Mizuno は今後も ZMP とのコラボレーションを進めます」 (水野氏) 。

ケータイ + ロボットによるセキュリティ対策

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しかし、現行の nuvo の最も魅力的な要素は、そのモバイル性。体長 39cm、重さ 2.5kg と、小型かつ軽量のため、気軽に持ち歩けることはもちろん、ケータイとの連動で遠隔操作による監視カメラ機能を搭載していることから、外出先から nuvo に電話をすると、ケータイ (FOMA の TV 電話機能との連動) の画面を通じて、 nuvo の目線で周囲の様子をモニターすることができる。あらかじめ登録された電話番号にしか対応しないため、セキュリティ対策も万全。留守番中の子供やペットの様子を外出先からチェックできるので、核家族の多い現代社会には打ってつけの機能といえる。子供は nuvo と運動したり会話をしたりして遊びながら両親の帰りを待ち、両親は nuvo にケータイからアクセスすれば、外出先から子供の表情や家の様子を確認することが可能となる。

写真 遠隔操作全方位カメラ「nuvo_sensor」

また、 nuvo の開発に伴い、監視カメラシステムに機能を特化した、新型遠隔操作全方位カメラ「nuvo_sensor」が生まれ、 nuvo と同様、市販が予定されている。 nuvo、 nuvo_sensor ともに、一般への販売チャネルは未定。 nuvo は 1年〜1年半ごとにモデルチェンジを行い、改良を続けていく方針。家庭向けに拡張機能を省略した nuvo「Ver.2 」は、販売予定価格 50万円、初年度売り上げ目標 3000台。量産化や一般ユーザ向けの価格設定には、モーターのコストダウンがカギとなるという。

記者発表会の最後に谷口社長は、 Mizuno とのコラボレートによるロボットシューズとプロテクターの改良を進め、運動性・安定性の強化、 IC タグの使用によるネットワーク化、会話機能の充実 (秘書機能) といった、今後の展開に言及、 nuvo をはじめとする人型ロボット開発で生まれるテクノロジーの製品化を通じて、次世代に大きな夢をつなげたいと語った。

※ Ver.1 は研究、教育機関向け。販売予定価格 300万円、初年度売り上げ目標 30台、レンタル予定価格 35万円 (一日)

プロモーションビデオ
会場で配布されたプロモーションビデオ (約26MB)
(320×240 2Mbps の Mpeg1 データに変換済)
お手元にダウンロードしてご覧ください。
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壇上に立つ 4氏。左から、谷口氏 (ZMP 社長) 、原氏 (キャラクターデザイナー) 、奥山氏 (工業デザイナー) 、水野氏 (Mizuno 副社長)

プロフィール

株式会社ゼットエムピー 代表取締役社長 谷口恒氏
群馬大学工学部卒業後、自動車関連メーカーに入社。制御システム ABS や ASR などの設計開発を担当。その後、商社にてレーザー機器などの貿易営業業務に携わる。
2001年 1月、株式会社ゼットエムピーを創業、代表取締役社長に就任、現在に至る。

ミズノ株式会社 代表取締役副社長 水野明人氏
米イリノイ・ウェスレイアン大学経営学部および関西学院大学商学部卒業。 1975年 3月、 Mizuno に入社。以後、さまざまな役職を歴任。 1998年 6月、代表取締役副社長に就任。現在は、商品開発部、品質保証部などを中心に事業全般の統括にあたっている。

米国アートセンターカレッジオブデザイン 工業デザイン学部長 奥山清行氏
武蔵野美術大学視聴覚伝達デザイン学科および米国アートセンターカレッジオブデザイン 工業デザイン学部卒業。米国ゼネラルモータース中央研究所をはじめ、海外の工業デザイン研究所で活躍。フェラーリやアルファロメオなどのデザインに携わる。2000年、母校アートセンターカレッジオブデザインの工業デザイン学部長に就任。2002年 12月より ZMP アドバイザー。グッドデザイン選考委員。

株式会社ライス 代表取締役社長 原神一氏
浜崎あゆみ、 GLAY、 Kinki Kids 、嵐、矢沢永吉、深田恭子、安室奈美恵、忌野清志郎、小泉今日子など、数多くの人気アーティストのミュージックグラフィックワークを手がけるアートディレクター。携わる音楽 CD の年間売り上げ枚数は 1000万枚に及ぶ。


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